未成年でも鞭打ち刑：シンガポールの刑罰（恋愛・生活他）

器物損壊でも鞭打ち刑になることがあります（1994年米国国籍19歳。鞭打ち刑６回裁判例）。

米国大統領が執行停止を求めましたが、鞭打ち刑は行われました（減刑あり）。

どこかの国に忖度したり、裏金を作る日本政府（全員が全員ではない）とは姿勢が異なりますね。

僕はシンガポール政府のように他国に対し毅然とした姿勢をする方針を、支持しています。

相手の同意があっても刑罰対象のものもあります。もちろん観光客も対象です。

日本人男性美容師がシンガポールで鞭打ち刑になった判決(懲役17年と鞭打ち刑20回)が日本人にとっては目立った報道ですが、刑罰の少ない日本との比較情報は知っておいて損はありません。

まとめサイトが見当たらなかったので、備忘録兼ねて本記事を作りました。

犯罪歴あるとシンガポールから強制送還や入国拒否等等デメリットしかありません。まっとうな生活をしよう。

観光＆生活全般編

ゴミの不法投棄

監視カメラや警備で逮捕者が増加。2023年は20,000件以上の違反切符。

・初犯で300 SGDの罰金を科せられる可能性
・高層ビルでゴミを捨てた者は裁判所に送られます

オンライン虚偽情報および情報操作防止法（POFMA）

・POFMA の第 7 条：虚偽の陳述の伝達関連： この条項に違反すると、最高 5 年の懲役、最高 S$50,000 の罰金、またはその両方
・POFMA の第 15 条：是正指示に従わなかった場合：この条項に基づいて有罪判決を受けた者は、最長 1 年の懲役、最高 S$20,000 の罰金、またはその両方を科せられる可能性

不安を抱かせる脅迫的な言葉

【関連】
・嫌がらせ防止法：最高5,000シンガポールドルの罰金
・1971年の東京条約に基づき、シンガポールが管理する航空機が国外を飛行中に犯罪が発生した場合、犯人はシンガポールの法律に基づいて起訴される可能性がある（2024年下記実例あり）。

シンガポール警察「警察はあらゆる安全上の脅威を深刻に受け止めており、虚偽の脅迫で社会不安を引き起こす者に対しては躊躇せずに措置を取る」
抽象的なグレー事案も黒になると思っていたほうが無難です。

2024年裁判例
・虚偽の言葉をチャンギ空港と機内でスタッフに浴びせたとし、オーストラリア人複数名（それぞれ単独犯）が逮捕。30代。
→500,000 SGD以下の罰金。最長10年の懲役。またはその両方。

・クルーズ船でシンガポール人39歳が逮捕。有害情報の虚偽伝達の罪。
→50,000 SGD以下の罰金。最長７年の懲役。またはその両方。

食器返却義務（２回目以降は罰金刑）

関連：シンガポール国家環境庁
・初回違反：警告
・２回目以降：300 SGD罰金可能性
ホーカーセンターばかり取り上げられているが、コーヒーショップも同様。

飲酒運転と危険運転

・懲役４週間、罰金8500　SGD、釈放後36ヶ月の運転禁止処分。
後述加害者と同一人物（タイ人女性（30代）への強姦未遂事件。加害者は犯罪当時23歳シンガポール人男性）

リードをつけていない飼い犬が人を襲ったケース

2024年裁判例
・繰り返しリード無しを継続。リードを飼い犬につけるのは法令義務付け。
4,500 SGD罰金

児童虐待

最高８年の懲役と8,000 SGDの罰金

・2023年裁判例
自分の子供に逆立ちを命令し、ベルトで100回以上の殴打、平手打ち、蹴るの暴行。警察に虚偽の報告
→この様子が有線テレビカメラに映っていた。小児科医医師が傷を確認。母親は適応障害あるが犯罪行為との間には関連無しと判断。

シンガポールへの不法入国

・2024年裁判例
インドネシア国籍男性（26歳）が、密入国を試み５回目。９回の鞭打ち刑

恋愛・性的行為がらみ

シンガポールの鞭打ち刑は50歳以上の男性、女性は対象外になります。
裁判が数年かかることを考慮し相手が50歳を迎える前に鞭打ち刑がくだされることを望もう。

シンガポールでは性的被害に遭った場合、被告や被害者の身元に関する言論統制命令が発令されます。
これにより被告らの名前、職業、国籍、被害者を特定できる可能性のある情報は法定文書から削除されます。

10代の未成年であっても鞭打ち刑あり

2024年裁判例：懲役8年と鞭打ち刑3回
・加害者は16歳少年、被害者は14歳少女
・トイレで同級生を強姦
・加害者は13歳のころから窃盗を繰り返し、保釈中にも再犯。
　2020年に強姦
・逮捕歴と警告が全く効果がないと判事らに判断された例

検察側「強姦は最も重大な性犯罪であり、加害者の年齢が若いことを最優先するべきではない」
と主張していた

相手の同意があっても裸の動画や写真などの撮影を行なってならない

日本にない法律。言い訳の「相手が同意した」はシンガポールでは通用しない。

痴漢・品位を傷つけた行為

しつこいナンパ行為：５日間の禁固刑

品位を傷つける行為は、最長２年の懲役、罰金、鞭打ち、これらの組み合わせ刑罰可能性。

2020年例
・加害者：インド国籍34歳男性（既婚者子持ち。ソフトエンジニア）
・被害者：24歳女性
・場所：ドビーゴート駅近辺
・女性に道を尋ねた後、そこまで連れて行ってもらった。その後電車の車内までもついてきた。
恐怖心をもった被害者。加害者は被害者へ100 SGDを渡し「ホテルへ一緒にいこう」と誘い、被害者に苦痛と嫌悪感を与えた。その上、被害者の手に、同意なくキスをする加害者。
・この犯罪のために仕事を失い、二人の幼い娘と妻を養わなければならないので情状酌量してほしいと裁判官に手紙を書いた加害者。

つきあってないのにキスした

2023年10月発生、2024年判決。
シンガポール北部の公園。
女性が交際断るも強引に男性加害者がキスをし女性を押し倒しその際女性が口元を怪我した。
鞭打ち刑4回。

強姦未遂

強姦未遂１：懲役９年６ヶ月と鞭打ち刑6回

2024年裁判例。判決まで約5年経過
・タイ人女性（30代）への強姦未遂事件。加害者は犯罪当時23歳シンガポール人男性。
強姦未遂2件と性的暴行未遂1件。
懲役９年６ヶ月と鞭打ち刑6回。
バー勤務の被害者と客として訪れた加害者（初対面から数時間後に発生の事件）。
被害者には彼氏あり。泣いて強姦回避を懇願するも解放拒否の加害者。
被害者はこの日バンコク帰国のフライトがあったので、警察に被害届を提出し帰国。後日シンガポールに再入国した際の健康診断で性的暴行を受けた際の傷が証拠採用された。防犯カメラ映像も証拠採用。
加害者側は「飲酒で全く覚えていない」と否認。
ジェームズ・エリシャ・リー地方判事「完全に捏造で後付ですね」「量刑の主な考慮事項は一般的な抑止力、報復、そして国民の保護です」有罪判決を下した。

強姦未遂２：懲役3年20週間とむち打ち刑6回

2024年裁判例
・23歳加害者男性、被害者女性（年齢非公開）
・ナイフを振り回しての性行為強要
・学校をでたあと、とあるのでシンガポール国内の教育機関でのつながりと推測される
・女性は性行為強要を何度も拒否
・加害者男性宅（祖母が当時いた）での行為
・女性のヌード写真を公開すると脅迫しての性行為強要
・加害者男性：故意に傷害を負わせようとしながら他人をわいせつにした罪1件、脅迫罪2件、性的な画像や録音を配布すると脅した罪1件について有罪を自ら認めている。弁護士はつけていない。
＊ 刑事脅迫罪2件と傷害を負わせようとした際の痴漢行為1件は判決まち

強姦未遂３：懲役4年とむち打ち刑4回

2024年裁判例
・SNSで知りあった男(31歳)と女。最初の食事。
・食事中に酒に酔った加害者男性が帰宅のためタクシーを呼ぶも、タクシー運転手から乗車拒否
・被害者女性が、仕方なく加害者男性を自分が呼んだタクシーに同乗させ、加害者男性宅の前の路上でおろし、タクシーで立ち去ろうとした
・通りがかった別の女性が「放置はひどい、家に連れて行ってあげなさい」と被害者女性を説教
・仕方なく被害者は加害者の家にあがり、連れて行った後に立ち去ろうとした際強姦未遂発生（怪我あり）
・翌日病院で怪我を診察してもらい警察へ通報

未成年者への痴漢・性行為：同意があっても懲役

・青少年の性的搾取に対する刑罰は、最高5年の懲役、最高1万シンガポールドルの罰金、またはその両方。
・犯罪的暴力を用いて他人の品位を傷つけた場合の刑罰は、最高2年の懲役、罰金、むち打ち、またはこれらの刑罰の組み合わせ。
・16歳未満の者に対してわいせつな行為をしたとして有罪判決を受けた場合、最高5年の懲役、または最高1万シンガポールドルの罰金が科せられる可能性
・16歳未満の未成年者に対する性的行為を行った場合、犯人は最長10年の懲役、罰金、またはその両方を科せられる可能性があります。（引用元：CNA）

公共の場での痴漢行為

2023年例
・加害者：インド国籍４４歳シェフ。被害者：10代少女２人
・駅付近で少女に話しかけ、同意なしに少女に触れた（抱きしめる、キス、触れる）
→懲役3年4週間の刑

家庭内での性被害

2024年裁判例：数十年ぶりに再会した娘23歳を強姦した父親47歳
→麻薬関連の犯罪で投獄になっていた加害者。娘との４回目の再会時に娘をレイプ。
被害者の母方親族一同が加害者に対決姿勢。
強姦、麻薬所持、麻薬使用の罪で懲役16年と鞭打ち12回判決。
執行猶予命令がだされている間に犯されたため刑罰が重くなり、753日間の懲役刑を受けた。

2024年裁判例
・黒魔術を信仰している不倫相手の娘にマッサージと称して性行為強要。被害者10代少女の母親は信仰活動の一環として性犯罪行為容認

教師・学校での性被害

2024年裁判例
・元教師(39歳)が14歳教え子への性的誘惑と学校でのわいせつ行為（少女を約2分抱きしめ、頬や額にキス等）容疑。２ヶ月以上の断続的行為。
*児童青少年法に基づき、16歳未満の者に対するわいせつ行為3件と性的誘惑1件で起訴
→現在教鞭をとっていない。禁錮処分。解雇を含めた懲戒処分可能性。
・15歳少女に性行為強要したバドミントンチームのコーチ（既婚者）に懲役３年。
事件発生から４年後の判決。未成年被害者の苦悩ですぐには起訴していない。
行為前まで少女に対し自宅で料理をふるまったり、手を繋いで人前で歩く、車の中で抱きしめたりキスをするなどあり。性行為に対して被害者は断り続けていたが最終的に同意。他生徒にも不適切なメッセージをコーチは送信していた。。少女は加害者の行動に違和感を感じ「汚い出来事だった」とコーチにメッセージを送信。被害者は謝罪の言葉を聞きたかったがそれはなかった。
加害者の妻は、夫の刑が軽くなるよう嘆願した手紙を提出。

強姦または性的暴行

強姦および性交による性的暴行に対する刑罰は、最高20年の懲役と罰金またはむち打ち刑

職場・仕事関係での性被害

2024年裁判例
・加害者は２人の外国人男性（49歳と50歳）。被害者は女性（国籍不明）。49歳男性は被害者の元上司。
・犯行場所：シンガポールのラッフルズエリアにあるホテル
・元上司と夕食（ホテル外）を約束していた。当日、元上司から「酒を買って部屋にもってきて」と頼まれた被害者。飲酒強要される。
・被害者はトイレで押さえつけられながら嘔吐したことや、個室の床に横たわっていた記憶がある
・裸の状態で目を覚ました被害者（AM3頃）。加害者50歳がベッドで横にいたので経緯を尋ねる。
・被害者と加害者１名が部屋をでたあと、先にホテルをでていた加害者49歳がホテルにすぐ戻り、部屋のシーツとタオル交換、清掃を要求した
・被害者は性的暴行を知るためにラッフルズ病院を受診。同病院が事件を警察に通報した。
・加害者２人はこの日午後、ホテルに戻ったところを警察に逮捕された

＊被害者は証言台に立つ際、非公開での証言。メディア立ち入りなし、男性から女性を見えなくするための大きな板も設置されました。
＊まだ判決まで至っていない事案。2023年裁判開始。

本記事参照先情報

CNA(2024年記事)

Man denies sexually assaulting lover's daughter in ritual massages, showers meant to stop black magic(2024Aug1 CNA)

Ex-teacher charged with sexual grooming of girl, 14; accused of indecent acts towards her in school(2024Jan14 CNA)

Repeat offender fined after unleashed and unmuzzled bull terrier attacked another dog(2024Nov28 CNA)

Jail, caning for man who raped daughter when they met after decades(2024Sep27 THE STARITS TIMES))

Man, 23, wielded Swiss army knife, chopper to try to force woman to have sex; gets jail, caning(2024Aug28 today)

Man in Singapore gets jail for hugging, kissing and touching two girls in public(2023Jun23 today)

Man kissed woman's hand on train and offered her money to go to Hotel 81, gets jail (2020Jan3 CNA)

4 years' jail, caning for man, 31, who molested woman, pinned her on his bed after shared meal out (2024Sep11 today)

A man named Brick is being caned in Singapore for illegally sneaking into the country on a small boat: local report (2024 Apr9 BUSINESS INSIDER)

Woman whipped 6-year-old son with belt over 100 times, made false police report on abuse (2023Aug17 THE STARITS TIMES)

Man raped university student multiple times, recorded and shared footage of assault in 'brutal and cruel' case (2024Jul1 CNA)

More people caught littering in Singapore last year, over 20,000 tickets issued: NEA report (2023 Oct 9 CNA)

Conditional warning issued to TikTok user for failing to comply with POFMA orders (2024Jul31 CNA)